魅惑のヴァンパイア
「顔が赤いな。一杯で酔ったのか?」


「……お酒なんて飲んだの、初めてだったから……」


私は恥ずかしくなって睫毛を伏せた。



……顔が赤いのは、お酒のせいだけじゃないんだよ?


どうしても嫌いになれない自分の胸が、ズキンと痛んだ。


「曲が変わった……。さぁ踊ろう」


「え!?」


ヴラドに手を引っ張られ、踊りだした。


腰に手を回されて、緩いステップを踏む。


「ヴラド……私、踊れな……」


「ピーターとは踊っていたのに?」



 少し棘がある言い方。お、怒ってたの?


「俺以外の男に触れられるな」



ツンとした顔。



ねぇそれって……ヤキモチ?
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