魅惑のヴァンパイア
 ピーターは高鳴る動悸を抑え、冷静に言うべきか否か考えていた。


なぜならこれは、魔界の根底を揺るがすかもしれない重大な秘密だからだ。


ヴラドは黙って、ピーターの言葉を待っていた。


真っ直ぐな瞳が、胸に痛かった。


 ――どうする? 


もしも妊娠のことを知ったら、ヴラドは子猫ちゃんを救う為に、自分の命を投げ打ってでも闇の組織につくだろう。


人間とヴァンパイアの子供が王になる? 


そんなことあっていいのか? 


大きな戦いが……起こるかもしれない。


ピーターは意を決して話した。


「子猫ちゃんは……妊娠している」
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