魅惑のヴァンパイア
「いらっしゃいませ、ピーター様」 


繊細な風の動き……。


こんなに上手に風を操れる人物は……この方しかいらっしゃらないでしょう。


 見る者を圧倒し、挑発するような赤髪。


 太陽に輝く御姿は、なぜか親近感を抱かせる、類まれな素質をお持ちでいられます。


「やぁバド。元気だったかい?」


「はい、わたくしもシャオン様も変わりなく過ごしております」


 いつもの客室に案内すると、シャオン様が頬を上気させてやって参りました。
 

シャオン様もすっかりピーター様に心を許した様子です。


「ピーターさん! ヴラドは? ヴラドは元気ですか!?」
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