魅惑のヴァンパイア
差別感情は深く、人々は常に怯えていた。


 怯え続けて生活することに疲れた者や、結社に命をかける者が、魔界から隔離されたコミュニティで生活しているのである。


 また、ヴァンパイアになりそこねたコクーン達も、長い歴史の差別の中で苦しみ続け、結社の思想に共鳴し手を貸してくれる者も増えてきた。


 彼ら全てがヴァンパイアになろうとしてコクーンになってしまったのではない。


遺伝が大半で、なぜヴァンパイアの儀式に失敗するとコクーンになってしまうのか未だに解明されていない。


 ヴァンパイア達は、『醜い者達』と言って嫌うが、彼らは自分の姿に誇りを持って生きている。


 現状では圧倒的な力でヴァンパイアに制圧されているが、全ての差別をなくし、死の呪いを解いて、皆が平等に暮らせる日々を作ることが、結社の存在理由なのだ。

< 334 / 431 >

この作品をシェア

pagetop