魅惑のヴァンパイア
ねぇヴラド? 


 今日も私達の子は、元気に生きているよ。


塔から少し離れた場所にある、山水が流れてできた小さな小川。


コミュニティに住む人々はここから水を汲んでくる。


お腹が大分大きくなってきたので、水瓶に汲んでくることは禁止されているけれど、私はこの場所が好きだった。


 ここの空気と、水と、光が交差する森の風景が。


何時間だっていられる気がした。


 ヴラドと愛した証(あかし)の子と一緒なら。


 私は一人じゃない。


そうでしょ?


 ヴラド……。

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