魅惑のヴァンパイア
どうして、ヴラドは私にこんなことをしたのだろう。


私たち、恋人同士じゃないのに。


結婚だって、していないのに。


男の人は、誰でもいいからしたくなる時があるんだって、聞いたことがある。


どこで聞いたんだっけ?


ああそうだ、クラスメイトが言ってたのを聞いたんだ。


私に話してたんじゃなく、私の前の席の子にそう言って話し掛けてた。


別に、好きだからとかじゃなくて。


ただ本能的に、そうなんだって。


ヴラドはヴァンパイアだけど、男の人でもあるから、きっとそうだったんだ。誰でも良かったんだ。


そうだよね。


意味なんてあるわけないよね。


強引だけど、どこか優しくて。


恐怖と緊張で身体を強張らせる私を、優しく抱きしめてくれた。


ぎゅって抱きしめられると、温かくて、胸がきゅーって締め付けられるようにドキドキしたけど、ヴラドは誰だって良かったんだよね。
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