魅惑のヴァンパイア
――深夜。


寒気がして、起き上がった。胸が高鳴る。


……もしかして。


ドアから現れたのは、漆黒のマントを翻すヴラド。


ドクン。


思わず、布団を手繰り寄せて身体を隠した。


「昨日から何も食べていないそうじゃないか」


……誰のせいで。


全く悪びれもせずに現れたヴラドに、怒りを通り越して、呆れてしまった。


プイっと横を向いて怒っていることをアピールした。目の前にいる人物は、私の処女を奪った人。


憎んでもいいはずなのに、ヴラドの出現に胸がドキドキしている自分がいた。


ヴラドは、バドが置いていった夜食を見てため息をついた。


ベッドに座り、夜食に手をかけた。
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