魅惑のヴァンパイア
羽のように大きなドレスを靡かせ、胸元にはずっしりと重たい煌びやかなダイヤのネックレス。


首輪は、あっけない程簡単に外れた。


首元に久しぶりに感じる爽やかな風。


首輪を取っただけで、自由になれた気がした。


おずおずとヴラドがいる部屋に行くと、私を変身させてくれた従業員たちが満足気に微笑んだ。


レジの前で、従業員が沢山の洋服を梱包している姿を、優雅な佇まいで眺めていたヴラドが、私の声に反応して、後ろを向いた。


ドキドキドキ。


恥ずかしさで、顔を伏せてしまいたかった。


どんな反応が返ってくるのか、ヴラドの顔を見るのが恐かった。


「――驚いたな。俺はダイヤの原石を、それと知らず買ったらしい」


ふわりと優しい手が頬に触れ、睫毛を上げた。


慈しむような深い蒼。


「綺麗だ、シャオン」


綺麗の言葉に過剰に反応してしまい、また恥ずかしさで睫毛を下げた。


本当?


本当に綺麗だと思ってる?


何度も聞きたくなる気持ちを抑えて、腰にまわしたヴラドの手に身を預けた
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