魅惑のヴァンパイア

「さぁ、行こうか」


ヴラドが腕を差し出してきたので、そっと手を二の腕に置いた。


ゆっくりとヴラドがエスコートして階段を上がっていく。


一段一段上がる度に、私の胸の鼓動は大きく高鳴っていった。


階段を登りきると、赤銅色の大きな門が聳え立っていた。


ゆうに５～６メートルはありそうな、巨大な門の下には二名のスーツを着た警備員らしき人が立っていた。


「私だ」


ヴラドを見るなり、私達と同じように仮面を着けている警備員は慌ててお辞儀をすると、重々しい門を開けた。


ギィと音がして門が開くと、眩い光と音楽が零れてきた。


「行くぞ」