汚いエッセイ
だけど、今日は違った。帰り道、ゆっくり歩いた。歩幅を意識的に3分の1に削り、足を動かす速度を半分に下げた。

とどのつまり、6分の1の速さ。いつもより6倍くらい帰るのに時間がかかった、いや、時間をかけたのさ。


理由は簡単。あの子が後ろから、自転車で追い付いて、話しかけて来るのを期待したのだ。

(ここで言うあの子は、今まで備忘録に書いた人のいずれでもない。)

いつかのように。信号待ちしてた俺に、君が話しかけたように。

そう。あの時のようにね。

それも、とびっきりの笑顔、真っ白な、かわいい顔で。
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