★妖怪のいない妖物語【妖不在怪異譚・企画本陣】
〈水辺系〉

○濡れ女…ふじたばくや様
水場に現れる上半身が女、下半身が大蛇の妖怪。気を許すとつきまとったり害を為したりする濡れ女子、針女などの仲間もいる。

●河童と水虎
水虎は人間や子供を水死させる妖怪。姿は河童にも似ており、河童を従えているという。

●河童と獺
獺(カワウソ)も河童同様水中に人を引き込んだり、人を食い殺すとも言われる。人間に化けて酒を買いに来るというユーモラスな話もあるが、1979年の目撃例を最後に日本では絶滅してしまった動物でもある。


〈動物系〉

●件(くだん)
漢字どおり半人半牛の姿をした怪物。大事件の前に牛から生まれ、確実に当たる予言をする。

●土蜘蛛
巨大蜘蛛の怪物。大和朝廷に討伐された敵対部族(先住民族)の魂が妖怪になったものと言われる。

●天狗と狼
狼が人間に化ける「鍛冶屋の母」「弥三郎の婆」という話がある。狼のような姿をした狗賓(ぐひん)という天狗もいる。木の葉天狗は白狼という年経た狼が化けたものだという話もある。

○覚(さとり)…祭屋 夕日様
人が心の中で考えていることを当て、人の言葉を話すという猿人。

●雷獣
落雷とともに地上に降りてくると言われる獣。

○獏…綾月奏夢様
悪夢を食べたり悪霊を追い払ってくれる霊獣。


〈道具・物、付喪神〉

●一反木綿or衾(ふすま)
人の顔に巻き付いて窒息させる布の妖怪。ムササビのように空を舞う風呂敷の姿をした衾という化物も、人の顔を包み込む。

●化け地蔵
並んでいる地蔵を数える度に数が違うという話など、地蔵にまつわる話。

●雲外鏡
古鏡が化け、鏡の中に妖しい顔が映るという妖怪。八月の満月の晩に水晶の盆に入れた水で鏡に怪物の絵を描くと、鏡の中に妖怪が棲むともいう。

●鬼と釜鳴り
釜鳴りは神社の神事の一つで、釜を炊く音によって吉凶を占うもの。製鉄民と関係が深いとも言われ、温羅(うら)という名の鬼にまつわる話が有名。


→次頁へ続く
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