姫様とウサ耳はえた金髪童顔
夜空が近い。暗いはずなのに、月がスポットライトのようによく輝いて見える。
雲一つない夜空。それがこんなにも、“恐ろしく綺麗”なのか。
【始めよう、おいで、おいで。四番の鎖は外し、口のくつわも外してやろう。動け、進め、壊せ。食らいつき、噛み砕き、咀嚼せよ――】
ラグナロクの指が、空から大聖堂の扉――あの巨大すぎる入り口に向けられて。
【“腐敗首の忠犬”(ケルベロス)、貴様の束縛を解呪しようぞ】
高らかな魔女の宣言。
そうして。
――何もかもが、かき消された爆音が夜に上塗りされた。