うずたま練習ノート
なんで。
どうしちゃったのあたし。
きっと、この空がいけなかったんだ。
青空と、夕焼け空の、あいだの曖昧な空。
青が、ゆっくりと赤に侵食されていく空。
あたしの心にも、この赤が忍びこんだに違いない。
絶対そうだ。
こんなのあたしじゃない。
あの唇に、触れてみたいなんて――
そっと手を伸ばせば金の糸が指に絡みついた。
近くで見れば、一層生々しい口元の傷。
でもそれすらも、あたしの鼓動を早めてしまう。
どうか、起きないで。
熱に浮かされたように、口を近づける。
ゆっくりと世界に満ちてく赤は、
あたしからなけなしの理性を奪った。
胸の鼓動が、どんどん高くなる。
全身が、小さく震えだす。
頭のどこかが痺れてる。
頬に感じる身近な体温。
長い睫毛。
口元の傷。
こんなあたし、あたしは知らない。
まるでケモノのように。
欲しい――――
この唇が。
感じたい――――
この唇を。
でも。
やっぱり怖くて。
触れる直前、躊躇った一瞬。
その時、閉じてた瞳が開いた。
「らしくないな、委員長」
どうしちゃったのあたし。
きっと、この空がいけなかったんだ。
青空と、夕焼け空の、あいだの曖昧な空。
青が、ゆっくりと赤に侵食されていく空。
あたしの心にも、この赤が忍びこんだに違いない。
絶対そうだ。
こんなのあたしじゃない。
あの唇に、触れてみたいなんて――
そっと手を伸ばせば金の糸が指に絡みついた。
近くで見れば、一層生々しい口元の傷。
でもそれすらも、あたしの鼓動を早めてしまう。
どうか、起きないで。
熱に浮かされたように、口を近づける。
ゆっくりと世界に満ちてく赤は、
あたしからなけなしの理性を奪った。
胸の鼓動が、どんどん高くなる。
全身が、小さく震えだす。
頭のどこかが痺れてる。
頬に感じる身近な体温。
長い睫毛。
口元の傷。
こんなあたし、あたしは知らない。
まるでケモノのように。
欲しい――――
この唇が。
感じたい――――
この唇を。
でも。
やっぱり怖くて。
触れる直前、躊躇った一瞬。
その時、閉じてた瞳が開いた。
「らしくないな、委員長」