もてまん



「舞が親をかばう気持ちもわかるけど、いつまでそんな事を許しておくつもり?」



繁徳の真剣な問いかけに、舞は繁徳に真っ直ぐ向き合う。


「だから、自己防衛っていうか、いつの頃からか、自分の本当に大切なものや遣りたい事はママに内緒にしてる。

高校だって、私立の女子高なんて行きたくなかったし。

受験に失敗して、可哀想って思われる方があたしにとっては好都合だった。

シゲにも会えたしね。

だから、シゲの事もママに知られたら、あたし、あの予備校辞めさせられると思う」


「マジかよ……

手つないで歩いてる場合じゃないな」


「そうだね。でも、さっきは嬉しかったから……」


舞が淋しそうに笑った。


「娘に好きな男ができて、両思いになったら、ぶち壊すってか……」

「ごめん……

なんか、面倒なことに巻き込んじゃったね」
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