都会の魔女
しかし、明日香が15歳の時
静かな生活が かき乱される事が起きた。

ある晩
いつも仕事が終わると ほとんど寄り道しないで帰ってくる兄が
夜の12時を過ぎても帰宅しなかった。

たまに付き合いがあって断れない場合は必ず電話があるのだが、その日に限ってはそれも無かった。

次の日は土曜日で仕事は休みだったが
母は心配で朝まで起きて、亮介を待っていた。

早朝になって兄は、フラフラした状態で帰ってきた。

「亮介、連絡もしないで・・・」

母が玄関先に倒れ込んだ亮介のところに駆け寄った。

物音に気が付いた明日香も目を覚まし、部屋から出てきた。

「お兄ちゃん、どうしたの!!」

母と明日香は亮介の体を引きずるようにして、亮介を部屋まで運ぶと ベッドに寝かせた。

明日香は取りあえず、兄が無事に帰ってきた事に安心して
再びベッドで一休みした後、いつも通りに学校に行った。
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