都会の魔女
「せっかくジュース用意したのに。」

幸子は手つかずのお菓子とジュースを持って再びキッチンに戻った。


しばらくして りさ子が戻ってきた。

りさ子は入ってくるなり
キッチンで片づけものをしている幸子のところに、声を荒げながら詰め寄った。

「何であんな事言ったの!

2人とも怒って帰っちゃったじゃん。」

「あんな事って?
怒らせるようなこと言ったかしら?

それにあの子たち、ママにもちゃんと挨拶しなかったじゃない。」

「そんなの余計なお世話だよ。
もうママうざい!!」

そう言って階段を勢いよく上がると、自分の部屋の扉をバタンと閉めた。

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