初恋タイムスリップ【完】
修学旅行当日。
成海くんとは、クラスが違うから、新幹線でも席が遠くて、ほとんど会えない。



「ね。美音。ちょっとあれ、ムカつかない?」



隣に座っている英理が、新幹線の通路に体を乗り出して、私の腕を引っ張った。

引っ張られるがままに、私も通路に顔をだしたら、
遠くに座っている成海くんの隣に、前野さんが座っているのが見えた。




「前野め、同じクラスだからって、調子のってんな」


英理はお茶を飲みながらいった。



なんだかつまんない修学旅行だな…



京都に着くと、部屋ごとに行動。


前もって計画したとおりに、寺などを見学。


私は部屋の仲間とはぐれないように、後ろからついていった。



時々遠くに成海くんの姿が見えた。


でもいつも前野さんたち女子3人が、成海くんの隣にくっついていた。




こんなことなら、修学旅行に来なけりゃよかった…



私は修学旅行に来たことを後悔し始めた。





< 122 / 237 >

この作品をシェア

pagetop