初恋タイムスリップ【完】
寝返りをうち、机がある方を見た。


机の上には、音の鳴らないグランドピアノのオルゴール。

壁にかけてある成海くんのマフラー。


制服。


私はずっと別れてからも10年間、成海くんを忘れらなれなかった。


でも、


だからと言って、逢いに行こうとか、思わなかった。



いつか忘れると思った。


違う人を好きになれば、忘れると思ってた。


でも、そんなことなかった。


それはきっと、

自分から成海くんに、別れを告げたから、忘れられないんだと思う






だから

成海くんは、私に別れてほしいと言われた方なんだから、

私なんかすぐに忘れて違う人を好きになって、幸せになっていたと思うのが普通で…


実際、

会いに行こうと思わなかったのは、振られるのが怖かったからだ。



成海くんの隣に違う人がいるのを見たくなかったんだ。


私は…



思い出だけでよかったんだ。



思い出に浸ってただ、忘れられずにいただけなんだ。









成海くんの未来に、私はいない。



24歳の成海くんが幸せに暮らしているなら、私は




私は……









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