【解離性同一性障害の恋人】
約束した訳ではないけれど、お互いがお互いの声で「おやすみ」を聞いてから眠りにつくのが習慣になりつつあった。





心を探るような、友情とも愛情ともつかぬ貴方の言葉が夜毎二人の間に降り積もっていって…




応えるのが苦しくなり始めた私の気持ちに気付いたのだろう。




その夜、初めて貴方は真摯に自分の気持ちを伝えてくれた。




心の奥底では一番聞きたかった筈の言葉だったと思う。




だけどそれを聞いた時、私が出した答えはNOだった。




距離とか年齢だとか、今更分かりきった理由を必死で並べていたけど、





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