ドーンッッッ!!




コホン


わざとらしく咳払いから入る空澄。



「あのね、さっきも言った通り、ガンノードの狙いは“愛”だけだ。

何のつもりで人からそれを奪い取っているのかを知る為には

接触が必要不可欠。


でも、愛をもたないルナちゃん達には彼女は反応しないだろうね。


ならば方法は一つ。人間をそこに送りこめばいい。


その周りをみんなで包囲して、害がありそうになったら全力で阻止する。


作戦と言う作戦は今の所これだけだね」



「…ちょっと待て。


人間を送り込むって…囮になれって事か?危険だと分かっている場所に誰かを連れていくのはどうかと思うんだが」


それに、なにも事情を知らない者が協力してくれるものか。


「それなんだけどね…」


空澄が、言いづらそうに口を開いた。だが……


「キミが行けばいい」


聞こえてきた言葉の主は、空澄ではなく。


「だ…誰だ?」


皆が一斉に辺りを見回すが、それらしき人影は見当たらない。


「はっはっは…。何処を探しているんだい?こっちだよ、こっち」



そう聞こえた瞬間、フッ…と影が射す。


見上げたそこには、人が浮いて立っていた。



「ダレ!!マジダレ!!?」


「う~ん。そう急くものではないよ、犠牲者君」


「あ?」



何この人。口調がキモいんですけどー…


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