ドーンッッッ!!




少し、ガンノードが可哀想に思えて来た時。



「終わったみたいだね」



月光が、窓辺に立つ天使の大きな羽を照らし、俺の眼下に影を落とした。



「空澄、コイツ……」


「あまり、近づかない方が良い」


一方的に話を中断させられ、ムカッとする。


「おい、だから――…」


「タイヨウ!危ないです。もっと離れた方が良いですッ!!

ガンノードは、皆をあんな目にしたんですよ…!?」



ルナも窓から現れ、俺の手を引いて自分の方に引き寄せた。


「ルナ…!!でも…」


「太陽は黙ってて」



空澄は、倒れたままのガンノードの前に立ち、こちらを見もせずに言い放つ。



「…何を話したのか知らないけど…。


コイツは、関係のない人間に危害を加えた奴なんだよ。



忘れたの?大事な友達の、変わってしまった態度を」



………忘れる筈が無い。


忘れるなんて出来るわけがない。



「…京太郎君の事を思うなら、これから僕がする事を止めないでほしい」



右手を目の位置に上げた空澄の手の中に、銀色に輝く一本の弓矢が現れた。




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