ドーンッッッ!!
だから
「キミの利用価値は“囮”だけだ。
もう、用済みなんだよ…太陽。
少し、黙っててくれないかな?」
こちらに向けられた視線は、ガンノードを見るそれと全く同じもので。
氷が突き刺さるような冷たい眼差しに、身が震えあがる様な感覚を憶えた。
でも、こんな事で引き下がっていいのか?
俺は、俺の信じる事を貫き通さなくてもいいのか?
……きっと、どっちにしたって後悔するに違いないんだ。
だから、俺は
「やらない後悔より、やって後悔する方を選ぶよ」
「…太陽?」
空澄が振り返るか振り返らないかの内に、地面を力強く蹴る。
反動の付いた身体は、弓矢を持つ天使に向かって一直線に進んだ。
「俺は、悪ぶってるお前なんか嫌いだ!!!」
叫びながら拳を振り上げる。
スローモーションの様に、俺の方に向き直る空澄の顔が 驚きと焦りと、あと一つ。
悲しみを含んだ様に見えた。
「正しいかどうかなんて分かんねぇけど!!
俺は、お前が誰かを傷つけるとこなんて見たくねぇんだよぉォォお!!!!」
空中を斬る様に進む拳に 冷たくて温かな滴が、一粒当たった。