短編集 cafe an
彼がホットチョコを飲み終える頃



カランッ♪
とドアのカウベルが静かに響く


見た先には
長い髪のセーラー服女子




おや?




目の前の彼を見ると
表情を輝かせて彼女を見つめ



そして
彼女も頬をリンゴの様に真っ赤に染めて彼を見つめて微笑む





ああ…
そう言うことね






彼は残りをすべて飲み干すとお代を払って席を立った


「美味しかったです。ごちそうさまでした。

また、来てもいいですか?」




屈託の無い笑顔にこちらまでつられてしまう


「もちろんです。
あ、これを。」


私はラッピングしてあったマシュマロを彼に手渡した

「今度はお二人で。
お待ちしてます。」



ガバッと頭を下げたかれは駆け足で彼女の元へ走り



カランッ♪
2人並んで店を出ていった









また
静な店内に戻る


空になったカップを洗いながら
チョコレートの香りに満たされたカウンターで1人微笑む




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