Call My Name
第六章 取捨選択の恋
俺は間違っている……のだろうか?

いや、間違っているんだろうな

わかってる

赤の族長の女である瑞那を自分のモノにしようとしているのは…間違っているのだとわかっているさ

俺だって、サイテーな男の行為だってわかってる

でも…どうしたらいいのか、わからねえんだ

瑞那の切なすぎる瞳が、俺を惹きつける

叶わない想いだとわかっていて、相手を見つめる目が、俺の胸の奥を刺激してくるんだ

まるで……俺を見ているみたいで、なんか放っておけなかった

好きなヤツが近くにいるのに、想いが伝わらないもどかしさを見ているのが息苦しかったんだ

俺が瑞那の寂しさを埋めてやるって思った

同時に、俺の寂しさも同じ想いをしている瑞那になら、わかってもらえるのかもしれないって、淡い期待を抱いた

あの夜……瑞那と菅原 蓮耶が言い争っているところを見て、俺は何かが弾けて壊れた

俺になら…いや、俺だからこそ


瑞那を助けてあげられるかもしれないって感じたんだ
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