ケータイ小説ストーカー

最後まで味方


翌朝――

花音は寝起きに作家ページを開いて愕然とした。ファン数が、一晩で30人以上減っていた。読者数も、有り得ない程減っていた。


「な…んで?」

携帯電話を持つ手が小刻みに震え、涙が溢れてきた。

こんなに一生懸命に書いて、読者やファンを大切にしてきたのに、どうしてこんな事に…


花音の疑問は、BBSを覗いた瞬間に解けた。

脱力感…全身の血の気が引き、背筋が寒くなり足が震えた。

そこには、名指しはされていないものの、花音を批判する言葉が延々と書き綴られていた。


花音は部屋から出る事が出来ず、学校を休んだ。


どうして、こんな事になってしまったのか?

あの3ちゃんねるから始まり、悪質なレビュー。それに、明らかに自分を標的にした批判。


花音は布団を頭から被り、それでも周囲に聞こえるくらい大声で泣いた。

なぜ信じてくれないのか。ただの誹謗中傷だと、なぜ誰も信じてくれないのか。


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