ケータイ小説ストーカー
第4章

退会宣言


ツクシの支えもあり何とか持ち堪えていた花音であったが、3ちゃんねるや才蔵の行動による影響は大きく、ファンや読者の減少は止まらずランキングは下がる一方であった。

既に書籍化の条件である上位ランキングの維持は不可能となり、無用なアクシデントを抱えた花音は対象外になったと断定出来た。


憔悴した花音をツクシが励ます――という構図は変わらない。

ホームページの雑談掲示板のパスワードは変更され、花音とツクシ、それに栞だけになった。


その状況を、ツクシは冷笑を浮かべて見詰めていた。

まだ終わりでは無い。ツクシの最終的な目標は、花音の退会などでは無かった。


しかし花音は、一時的にとはいえ手に入れた人気作家、次期書籍デビュー候補の座から陥落し、失意のドン底にいた。

書籍化のチャンスを不意にした事よりも、自分を簡単に切り捨てたファンや読者により、人間不信に陥っていた。


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