天使の羽が降る夜に



「本当はキスはしないつもりだったんだ」


我慢できなかったけど・・・。

「え?・・・」

「未紅に俺の跡が残っちゃうからさ・・・出来ればあんまり深く残したくなかったから」

残される方は傷が浅いほうがいいもんな・・・俺は出来るだけ深く残したいけど。

「・・・そんな舜の優しさが、だ・・い・・好き・・だ・・よ」

俺は未紅を抱きしめる。

その言葉を聞けただけで、俺は嬉しいよ・・・ありがとな未紅。

俺のぬくもりは覚えておいて欲しい。

「舜、2つ目の願いは?」

未紅が俺の胸に顔を埋めながら聞く。

そうそう、これが一番大切な願い


「ああ、2つ目は--------」




2つ目の願いを未紅に告げた俺は、その日の夜大きな発作が起こり





意識を失った-------








あー、これで俺の一生は終わるんだな・・・。

「・・・・・・」

ん?遠くで声がする・・・・。

「「・・・・・」」

2人?

「「「・・・・・」」」

いや、3人だ・・・。


「「「舜!」」君」

重い目が・・・かすかに開く・・・・なぜ?


・・・ああ、未紅が力を貸してくれてるのか・・・。

母さん・・・・兄貴・・・純ちゃん・・・。

その後ろに・・・・未紅・・・。


ピッピッピ

機械の音が聞こえる・・・俺まだ生きてるんだな・・・。




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