天使の羽が降る夜に


「舜!!」

「か・・あ・さ・・・ん」

なんとか話せるみたいだ。

「何?なに?舜」

言わなくちゃ。

最後に・・・・

「俺を・・・産んで・・・くれて・・あり・・が・・・と」

はぁ、はぁ・・苦しい・・・。

「しゅ・・・ん」

泣かないで・・・母さん。

俺は父さんと母さんの子供に生まれたこと・・・後悔なんてしてない。

沢山愛情を貰ってきたから。

「あ・・にき・・・」

「おう、ここにいる」

「純・・ちゃ・・・」

「何?舜君」

「しあ・・わせ・・に・・な・・って・くれ・・・」

「舜君!」

手を握ってくれてる。

温かい・・・。

「みんな・・に・・つた・・え・・て・・・」

あと・・一言・・・。

「あ・りが・・・・とう・・」

言えた・・・もう、思い残すことはない・・・。

「舜!まだ逝くな!」

兄貴・・・もう・・体がもたない・・・。

「舜君」

「舜!」

「俺が、俺がお前の病気を治せるようになるまで生きるって約束しただろっ」

ああ、そうだったな。

兄貴は俺の病気を治したくて医者になったんだよな。

「頼む‥‥舜。まだ、まだ逝かないでくれ‥‥」

・・・いつも、俺のためにありがとう。

本当にありがとう。




ピッピッピ・・・・


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