天使の羽が降る夜に


その時・・・耳が急に熱くなる。

俺は耳に手を当てる・・・・・・舜か?

舜から託されたピアス。

貰ってから付けるかどうか迷っていたが・・・皆には見えないように付けていたんだ。

そのピアスから

『未紅を守ってくれ』

そんな声が聞こえた気がした。

俺はハッとして未紅を見る・・・もういない。

追いかけなくては!

「おいっ!そのマント貸せ!」

仲間のマントを取り上げ、俺はルートの入り口に向かった。

「未紅を守ることは約束しよう」

舜と交わした男同士の約束だ。

ここに舜がいたら間違いなく未紅と一緒に行っただろう・・・そして守っただろう。

それを俺にあいつは託した。

その気持ち、無駄になんてできないんだ。

自然と体が動いていた。

「聖夜!」

「聖夜様!」

ルートに入る瞬間呼び止められる。

振り向くとそこには沢山の天使たち。

「未紅様をどうか・・・どうか・・・」

祈るように皆俺をみる。


未紅は未熟だからまだこの天使たちの姿は見えていなかったはずだ・・・でも皆未紅を心配して見守っていた。

「おう・・・分かってる・・・!大天使・・・様・・・」

いつの間にか大天使様もその場所に来ていた。

俺が行くことを認めてくれるか・・・。

契約違反になりかねない俺の行動を・・・認めてくれるのか・・・。

「聖夜・・・未紅を・・・未紅を頼んだぞ!」

その言葉に俺は頭を下げる。

ありがとうございます!

「大天使様・・・・分かりました。この命に変えても・・・必ず!」

俺は皆に頷くと神へのルートへ入っていった。

・・・・・未紅の元へ!

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