天使の羽が降る夜に

聖夜



ルートの入り口に入ると・・・いない。

もう先へ進んだのか・・・。

この入り口からの風景をみて、あいつはビビらなかったのか?

神へのルートの入り口からみる風景には、いつも背筋が凍る思いがする。

何度通ってもなれない気味の悪い道だ。

俺は深く息を吸うと・・・・羽を広げた。

そして飛び立つ。


・・・いない・・・結構飛んできたんだけどな。

あいつどこまで行ったのだろう・・。

それでも未紅が通ったであろう道が分かった。

羽が散らばっている。

俺は何度も何度も通っているから、多少のことでは羽は傷がつかない。

だけど未紅は違う。

まだ完成されていないやわらかい羽だ。

・・・ヤバイな。

いくら成長したとはいえ、これだけの羽が落ちているって事は相当体にも負担がきているはずだ。

マントがもってくれているといいが・・・。

その時また耳が熱くなる。

『急いで・・・くれ』

そんな舜の声が聞こえた。

俺はフルスピードで未紅の元へと急いだ。





どこだ?

どこにいる?

未紅・・・。

・・・・ん?

何かぼんやり光が見える・・・・あれか?

あの光か?

今にも飛ばされそうな体を必死で保っていた。

俺は後ろから近づくと未紅の両肩をつかんだ。

「聖夜・・・さん」

ボロボロになった未紅の体。

「こんな体で・・・よくここまで・・・」

俺は自分のマントに未紅を押し込む。





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