天使の羽が降る夜に


舜が光の中へ入り消えた瞬間

「きゃっ」

私は大きな光に包まれる。

そして走馬灯のように過去の記憶が戻って・・・・。











「・・・紅!」

「・・・未紅!」

私を呼んでいるのは誰?

「未紅様!」

ああ、この声は天使たち。

「未紅!」

・・・そしてこの声は・・・・。

私はそっと目を開ける・・・。

「・・・聖夜」

聖夜は私の手を握っていてくれた。

これは夢?

「大丈夫か・・・未紅」

私はゆっくり体を起こす。

「ええ、大丈夫・・・聖夜・・・皆にも迷惑をかけてごめんなさい」

「未紅・・・・お前・・・記憶が・・・」

「うん・・・舜のおかげで・・・」

「そうか・・・」

私は握ってくれている聖夜の手に自分のもう片方の手を添えた。

「聖夜・・・ありがとう」

「未紅・・・良かった」

聖夜・・・泣いてるの?

私のことをパートナーとしか見てくれなかったあなたが・・・私の為に泣いてくれてるの?


舜・・・これもあなたのおかげなのかな・・・。








< 81 / 106 >

この作品をシェア

pagetop