妹A ~5人兄弟+1~
「おいおい、落ち着けって。お前が焦ってどうすんだよ」



朋のリアルな焦り方がおかしくって、思わず駿が笑った。



「アハハ。そうだよね」



乗り出していた身を元に戻して、朋は水を一口飲む。




「殴られたよ」



「殴られた!?マジで!?駿にぃ、殴られたの?…ほんとに殴るんだ…」



まじまじと駿を見る。



「仕方ないよ。悪い事してるんだから」



「でもさぁ…、ドラマだよね」


2人は何となく手持ちぶさたで、気付けばお好み焼きを切り分けていた。



「でも、殴られて良かったよ。怒りを表してくれる方がストレートで、こっちもぶつかりやすい」



駿が焼いたお好み焼きからは具がこぼれている。
朋は『やっぱり』という顔でチラッとあの店員を見た。



「ふぅん。そんなもんなのかな?恋をしてる人の言葉は深いねぇ。オレなら暴力は勘弁して欲しいな。やっぱりドラマの主役になる人は意気込みが違うよ」



朋はお好み焼きを頬張りながらしみじみ言う。



「お前…、バカにしてる?」



「滅相もない」

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