妹A ~5人兄弟+1~
空は手だけ洗うと席についた。



「では、皆さん、頂きます」



「頂きます」



優に続いて駿、朋、空、スバルが食べ始めた。



「…今日さ、遅くなるから」



玉子焼きのひとつをスバルの茶碗に乗っけながら優が言った。



「優にぃ、夕食当番だよ」



スバルがその玉子焼きを一口で食べる。



「悪い。朋、頼むわ」



優は朋を見て申し訳なさそうに両手を合わせた。



「分かった。いいよ」



笑うとクシャクシャになる顔が人の良さを現している。



「優にぃ、また?」



呆れるスバルと黙って聞く他の3人。



「今度はさ、いいニュースがありそうな気がして」



4人の顔をぐるっと見ながら優は優しく微笑んだ。



「好きにすれば?…ごちそうさま。行って来ます」



「おい、スバル、弁当!」



まだエプロンをつけたままの朋が慌てて玄関に走った。



「見つかると…いいな」



駿が優をみて笑う。



「どうせ空振りじゃねぇの?」



少年マンガをめくりながら、冷めた口調で空が言った。

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