短‐雨が好きな理由
雨が降るとあの日を思い出す。



……そぅ、あの日もこれくらいの雨が降っていたっけ。

彼が私から離れていった日も……。





『雨って好きなの。濡れるのはちょっと困るけど、音は落ち着くし、みてると安心するの。』

『そうかぁ?……俺は嫌い。』

彼はいつもそう言っていたっけ。
でも、私が雨の日はいつも窓を開けて眺めることを知っていてくれて、だから雨の日に彼の家に行けば彼は私のために窓を開ける。




そんなことが、幸せだったんだ。
それでもっと雨が好きになった。
< 2 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop