マジック・エンジェルほたる
「明日の、テスト結果が楽しみだわ」
と、嬉しさでヤニ上がっていたのだ。非常に低いメンタリティ(精神性)だ。自分の実力でテストを受けたわけでもないのに……。この少女には恥を知る心…というものがどこにも存在していないのだ。
「ねぇ、ねえ、蛍ちゃん!蛍ちゃん!蛍ちゃんってば!」
いままで、どこかへ消えてて姿を現さなかった妖精セーラがフイに飛んできて、そう声をかけた。ひさしぶりのことであった。螢は思わず息を呑んだ。
「なによ、セーラ。あんたいままでどこにいってたのよ?」
「…うーん、ちょっとね。それよりさぁ…」セーラは少し微笑んで、丁重に言葉を選んで、「あの、蛍ちゃん。そろそろ封印とかしてみちゃったりしてくれないかしら?」
その言葉をさえぎるように、蛍は、
「嫌です!!」と言って、プイっと横を向いた。
「なによっ、もお。そんな言い方ってないでしょ!!」
セーラは反発して言った。「そんな性格だからダメなのよ!少しは正直になって「わかったわ」っとか言えないの?!」
「もぉっ、うるさいのよ。黙っててよ!だいたい、妖精のくせに人間様に文句を言うなんて、百年早いのよ!!」
セーラは、蛍のナマイキで傲慢な態度に対して、あまり感情的にはならなかった。ただ、「…あのねぇ、百年たったら、蛍ちゃんはもう生きてないでしょう?だから…いまいってるのよ」
と、控え目な言葉で母親のようにいった。
しかし、「お馬鹿さん」は、すでに遥か彼方へと遠ざかっていたので、何も答えなかった。セーラは頭痛がして、氷の杭を心臓に突き刺された感じの無力感と痛みを覚えた。
「…はぁ」セーラはなんだか疲れてしまい、そんな風にタメ息をついてから、「…本当に、あの蛍ちゃんが伝説の戦士なのかしら?もしかしたら私…勘違いしているだけだったりして…」と、心の底から呟いていた。