マジック・エンジェルほたる
 わかった!わかった!わかった!!…わかったわよ!やればいいんでしょう!!いいえ、やらなくちゃあ!ーよし!
 蛍はキッと目を鋭く輝かせると、両手を前方に突き出して、
「レインボーっ…」と叫び、続けて「…アターック!!」と大声で全身の力を込めて叫んだ。ビュウウ…ッ。あらゆる精霊たちのオーラが彼女の手のお札に吸い寄せられるかのように集まった。そして、次の瞬間、蛍の両手に輝かしい剣が出現し、まさにレインボー(虹)がダビデに向かってめまぐるしいスピードで放たれた。…七色に輝きつつ、ダビデにむかって空間を走る稲妻・ステロペスと雷鳴・ブロンテス、そして虹色の閃光・アルゲス!
「うああぁぁっ!」
 レインボー・アタックの直撃をなんとかかわしたダビデは衝撃でかなり後方に吹き飛ばされた。そして、倒れ込んだ。掌に血が滲み、激痛で意識を失いそうになった。
「や、やったわ!」
「はやく、封印して!」
 蛍もセーラも声をあげた。強敵を倒した?!だが、そうではなかった。倒れ込んでいたダビデは起き上がった。そして、「覚えてろよ、マジックエンジェル!」と捨て台詞をはくと激しい風とともに魔界へと姿を消していったのだった。しかし、とにかく…たすかった。「これで馬鹿にした連中を見返せる?」「もちろん!」螢に、セーラはいった。

  赤井由香は気を失ったまま道路に仰向けに横たわっていた。ジッとして動かないが、死んだ訳ではない。
「ゆ、由香ちゃん!!」蛍は大急ぎで由香のもとへと駆け寄った。彼女は体裁などぜんぜん気にしなかった。そんなことよりも由香の体のことの方が心配だったのだ。
 蛍はそっと由香の上半身を抱き上げて、
「由香ちゃん…しっかりして…!!」
 と、少し泣きそうになりながら呼び掛けた。そして、ジッと由香の顔を覗きこんだ。とても素晴らしい表情をしている。由香ちゃん!…由香ちゃん!
< 31 / 192 >

この作品をシェア

pagetop