マジック・エンジェルほたる
一方、お馬鹿さんの部屋では、なにやら怪しげな二人組(蛍とセーラ)が真剣な表情で座って話をしていた。セーラが口火をきる。
「やっぱりおかしいわよ!私の姿がみえるなんてさぁ」
「でも…あたしにだって見えたんだから…」
「それは、蛍ちゃんが伝説の戦士だったからでしょう?!」
「…ううん」蛍はそわそわと立ち上がった。そして「あのさぁ。……テレビ観たいんだけどぉ。はやくしないと『セーラ・ムフーン』(アニメ)が始まっちゃうのよねぇ」
と、馬鹿らしい主張をした。
「………え?」セーラは何とも情なくなったるなんでいつもいつも蛍ちゃんってばこうなのかしら?妖精は深く溜め息をついてから、
「あの蛍ちゃん。あの由香ちゃんって子、気をつけた方がいいわね。もしかしたら……魔界の手先かも知れないわよ」
「あはは…まさかぁ!」蛍はふりかえりもせずに一笑すると、リビングのTVでアニメ番組を観に部屋を出ていった。…なんとも低レベルな女の子である。…
次の日の朝。由香の自宅の玄関先。
由香は、元気いっぱいに学校に向かって
「いってきまぁーす!」
と駆け出した。そんな由香を呼び止めるため、「あ、待って由香」と宝林は声を出した。そして、ニコリと笑って振り返った愛娘に、
「実は、今週の金曜日に、東京銀座四丁目にある画廊で個展を開くんだ。よかったら、友達もつれてみにおいで!」と、告げた。もちろん由香は、
「はーい!」と明るく返事をしたのだった。