トリゴニコス・ミソス
ザクリ(涙)
クレタ島に向かった美名一行は、アポロンの車で難なく島までたどり着くことができた。

その島は細長く延びた島で、平地よりも山地のほうが多いぐらいだった。

その島のはずれに問題のラビリントスがあった。

上空から見たラビリントスは確かに複雑な形をしていた。

入り口は一つしかなく、それ以外の場所は断崖絶壁となっており、到底入り口以外から抜け出すことはできそうになかった。

「ありゃー。こりゃ確かに一回入ったら出てくるのは厳しそうだなー。地図でも作れりゃいいんだけど、地図作るだけで三日なんてあっという間に過ぎちゃうもんなー」

「そうだな。我々が上空からサポートする手も考えられるが……」

「ううん。いいんです。二人ともありがとう。私は一人で大丈夫だから。ここまで一緒に来てくれただけで嬉しいです」

美名のその言葉を機に、三人はラビリントスの入り口に降り立った。
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