トリゴニコス・ミソス
一瞬ぎょっとした顔をした太陽だったが、ヘルメスが意外なほど真剣な顔をしているのを見て、自分のことを本当に心配してくれているのがわかった。

「あんたには、パンっていうかわいい息子がもういるだろう」

「もちろん、パンはオレのかわいい息子さ。でも、息子なんて何人いてもいいもんだろう。だから、今日からお前はオレの息子だ。

ということで、オレはお前を応援するぞ。まあ、何はともあれ、無事に戻ってこなくちゃ意味がないからな。

冥界に入ったら手助けすることができないから、今のうちにお前に冥界でのルールを教えておいてやる。よーくその頭に叩き込んでおけよ」

「ヘルメス……ありがとな」

こうして、太陽とヘルメスの二人も冥界に向けて歩き出した。


【ジスコロス ジティマ(難問)・完】
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