ラバーズキス
‥* 気持ち *‥
約束をしなくても毎週末に会いに来てくれるアツシが珍しく水曜日の夜に「今から行くから」と電話があった。平日は仕事が遅くまであって疲れているから会えるわけがないと思っていたあたしは嬉しくて落ち着かなくて、早くから大学の前で待っていた。
2人で会うようになっても、いつもこうして外で会っていた。何回かに1回は「部屋に行く?」と聞くけど、アツシは決まって首を横に振るばかりだった。


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