ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 撮影したいシーンを自分で勝手に恋愛のシーンから、殺陣に変えたくせに。

 見られてると演技しずらいからって、現場から追い出すことなんて、ないわよね!

 腹はたったけど、言われた事以外、何もできないので仕方ない。

 わたしは、しかたなく、刹那の楽屋に移動した。

 と。

 扉を開けて、驚いた。

 入ってみれば、さすがに、トップスターの部屋は広い。

 技術さんが入れば一杯のわたしの部屋とは大違いだ。

 また、刹那の楽屋の片一方の壁は、全面鏡張りだから、余計に広く感じる。

 しかも、わたしのところは、パイプ椅子に、簡単な机しかない部屋なのに。

 ここは、高級そうなソファ・ベットとガラスのテーブルが設置されていた。

 その部屋に、刹那の衣装と、大量の化粧品が、整然と置かれてるところが、いかにも俳優の楽屋だ。

 けれども。

 なんか、楽屋に場違いなモノが一つ。

「……これは、パソコン?」

 そう。

 撮影の合間に息抜きするような、簡単なノートパソコンじゃない。

 何だか色々な装置だかCPUだかを、ゴテゴテと積み、何本もケーブルを出したパソコンが、楽屋の隅に設置されていたんだ。
 




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