ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 

 驚いて、目を見開いているわたしの目の前で。


 那由他さんは、刹那の顔を剥がしたときのように、自分の顔をはずした。




「な、那由他さん……!」

「……ですから、大声を出さないでくださいね?」

「で、でもっ!」

 信じられない!

 那由他さんまで、こんな……!

 那由他さんもまた。

 仮面を外すと、その下には、刹那と同じようなほとんど凹凸のない顔が、出て来た、なんて!

 言葉を失った私に、那由他さんは冷静に言った。

「……私は、一年前の事故で。
 最愛の人と一緒に、顔をなくしました」

 この、ほとんど凹凸のないほどに崩れた顔は、ひどい火傷の跡だと、那由他さんは話す。

 そう、確かに。

 獅子谷兄弟は、交通事故で重軽傷を負ったって言ってた。

 軽傷が刹那だとしたら、重症の方は那由他さんの方なんだろうけれども。

 まさか、こんな風に酷く、那由他さんが怪我を負っていたなんて、信じられなかった。

「……顔に傷を負ったのは不幸でしたが、別にこれが最悪、と言うわけではありません」

 そう、那由他さんもまた、綺麗に澄んだ目でわたしを見た。
 
< 34 / 53 >

この作品をシェア

pagetop