ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 

「……良く演(や)った」




 涙で曇って前が見えないわたしを、抱きしめたまま。

 刹那は自分の楽屋に連れ帰ってくれた。

「悪くない出来だった。
 まるで。
 ……アイツが戻って来たか、と思った……」

「……刹那ぁ……」

 涙でぐしゅぐしゅになったわたしにハンカチを渡して、刹那はびっくりするほど優しく微笑んだ。

 元は、那由他さんの顔なんだから。

 那由他さんが出来る表情は、刹那にだって出来るはずなんだろうけれど。

 あの意地悪な彼が。

 カメラの前じゃないのに、そんなに優しい顔をしてくれるなんて思わなかった。

「刹那……」

 今まで、まるで、慰めてくれるかのように。

 わたしの髪を静かに撫でる。

 その手が、ふっと、軌道をずらして、わたしの服の後ろについているファスナーにかかった。

 それが、あまりに自然だったから。

 気がついた時には、もう、服が半分ぐらい脱げかかっていた。

 ……な、なに?

 と、戸惑うわたしに。

 刹那は、楽屋に来てからと変わらない。

 優しく。

 でも、淡々とした口調で言った。
 
「……悪りぃな」

「……え?」

 
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