ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
「……仕方がないんです。
あなたの『美鈴』として撮影は、これで終わりますが、刹那と。
他の撮影終了……クランク・アップまでにはまだもう少し時間がかかります。
私たちの所有物ではなく。
技術さえあれば、誰でも見る事ができる、あなたの記憶の記録から。
刹那の素顔を、今、公(おおやけ)にするわけには、行かないのですから」
「那由他さん……」
できることなら、やめて、と言いたかった。
刹那のことも。
那由他さんの事も、忘れたくなんてなかった。
だけども、これしか。
那由他さんに、記録を削除してもらうしか、彼らのことを護ることもできない事も知っていた。
だって、わたしは、人じゃなく。
機械でできた……アンドロイドだから。
しかも、映画会社から派遣された、代役用ロボットだから。
「刹那ぁ……
那由他さん……」
わたしは、やめて、とは言えずにただ彼らの名前を呼んだ。
本当に、ただの機械であるはずなのに、人間と同じように造られて。
そして、傷ついてゆく心なんて、いらないのに……