ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座
 言って、那由他さんもまた、優しくほほ笑んだ。

「もう、ずっと前に、CG(コンピューター・グラフィックス)を使った二次元的な、虚構のアイドルが話題になり、すぐに廃れてしまいました。
 人工知能を使った、女優型のアンドロイドなんて、本当に大したことない、と思っていたんです。
 あなたには、人の心の柔らかいところを判ってもらえるか、謎で。
 ここで演技ができないのなら、私は、色々な感情を数値化したデータを直接、あなたにキーボードで刻む予定でした」

「……那由他さん」

「だけども、あなたは。
 刹那の顔を見て涙を流してくれました。
 そして、わたしが何もしなくても、見事に『美鈴』を演じてくれました。
 例え、機械とはいえども、自力で学んでくれたデータを消してしまうのは、心苦しいのですが……」

 優しく。

 でも、淡々と紡ぐ、那由他さんの言葉にわたしは、目を開いた。

「データを消すって……!
 わたし、忘れちゃうの!?」

 刹那の本当の顔を。

 那由他さんの、強い思いを。

「わたしは、忘れたくない……のに」
 
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