ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座

 技術さんには言わなかったけれど、刹那って名前を聞くと。

 胸が痛むような……気がする。

 ……っかしいなぁ?

 撮影中、獅子谷さんのうち、那由他さんには良くしてもらったけれど。

 刹那の方には、いっつもイジワルしかされてないような気がするのに。

 どうして、こんなに気になるんだろう?

「……ん、だぁ?
 優菜、もしかして泣いてる……?」

 ……は?
 
「何言ってんですか。
 アンドロイドが泣く訳なんてないでしょう?
 演技モードに入っているわけじゃないのに……」

 技術さんに言われて、自分の顔に手を持って行って初めて気がついた。

「や……だっ
 わたし……泣いて……」

 いくら人に似せてる、とはいえ。

 涙線も、わたしのココロも、造られた機械のはずなのに。

 訳のわからない想いが溢れて、涙になる。

 涙になる。

「なんだ、なんだ?
 獅子谷の楽屋での記録は無いけれど、もしかして刹那にいじめられてたのか?
 災難だったな」

 あいつなら、機械相手にだって、げしげしと八つ当たりしかねない。

 と、うなずく技術さんに、わたしは、頭を振った。

「判らない……」



 ……でも、違うような気がする。


 
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