☆夢色の星たち☆〜white,bonds〜
「ティアラ!」


「ジータ!」


「これ、持って行けよ」


握りこぶしを開いた手にはあの夜に星空を写した硝子の欠片だった


「ジータ……どうしてこれを」


「ティアラが大事にしていたんだろ。あの夜、ティアラ泣きすぎて、すっかり忘れて置いていたのを俺が持っていたんだ」


「そうだったの……ありがとうジータ」


「これ、持ってかないと、ティアラのお母さんも寂しがるし、星空見えないかもしれないぞ」


ティアラは涙が止まらなかった


「さぁ、早く行けよ。絶対にお医者さんになって帰ってこいよな。村のみんなは待ってるからな」


「うん。ジータ、体、壊さないでね。私、必ず帰ってくるから。だって、その為にお医者さんになるんだから」


「約束な!」


「たった一人の最初の友達だもんね」


車は、ゆっくり動き出し、すりガラスから見てるような景色を、小さな目がしっかりと焼き付けていた


そして、ティアラは
しっかりと、硝子の欠片を握り
飛び立った……


「ティアラ……俺の大事で大切な……宝物……大好きだよ……大好きだったんだ」
< 17 / 108 >

この作品をシェア

pagetop