VS~Honey~

一気に数学準備室が静かになる。
そして晴紀は今日何度目かわからないため息をついた。


「ったく、あいつ余計なことをペラペラとっ。相手にしないでいいからな」

「余計なって?」

「……」

「やっぱりそっちの性格が地なんだね」


晴紀が小さく舌打ちをした。
おお、図星か。
そりゃぁそうだよね。私生活まであんな爽やかなんて疲れるよね。

でもなんかちょっと楽しい。
ちょっと意地悪を言いたくなった。


「さっきはアイドル顔の方が本当だって言ってたくせに。陸くんにばらされちゃったね。嘘なんかつくからだよ」


フフンと笑ってやった♪

しかし、それが不味かった。


「俺にそういうこと言っていいわけ?」

「えっ」


しまった、と思ったときはもう遅かった。


「きゃぁ!」




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