後悔の後・・
「そんな・・彼が来たの?」


「ああ・・彼から聞いた・・彼の両親からも認められてるのに籍をいれることを拒んでると・・」



「私は相応しくないわ・・だから・・」


「千佳・・俺はキミが好きだ・・あれからずっと忘れることなんてできなかった・・本城高谷を選んで、結婚したと思ってからも・・再会してからも・・ずっと・・キミを思ってた・・。俺はあれから生涯一人身を通す覚悟だった・・でも・・まだ俺に気持ちが残ってるなら・・もう一度傍に居て欲しい・・・」



信也はあるものを千佳にそっと渡す・・・。



それは小さな指輪だった・・・


「信也さんこれ・・・」


「あのとき渡そうと思っていたんだ・・安物で・・高価じゃないけど・・デザインが気に入って・・千佳に似合うと思って・・・」


「信也さん、ありがとう・・」

千佳はなみだ目になった・・
「でも・・・これは受け取れない・・私は・・受け入れることはできないわ・・」



「千佳・・どうしてだ?俺をまだ許せないか?信じてくれないか・・何年かかっても、償うから・・・」



俺は何年かかっても償う覚悟だった。


< 233 / 289 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop