オレの宝物。それは君の笑顔【完】
朝の一瞬のあいさつと、夜の短い帰り道。


同じクラスなのに、オレと北原が言葉を交わすのはその時だけだった。


サッカー部のヤツらといる時はガハガハワーワー騒いでいるのに、北原の前だとぎこちなくなってしまう。


それを見れば、オレが北原を好きだということに、周りも気づいてしまうだろう。


オレは今、北原への想いを気づかれたくなかった。


北原と学級委員をやっている高野は、オーケストラ部でチェロを弾いている。


小6までピアノを習っていたうえ、今も音楽をやっていて、北原と共通の話題には事欠かない。


休み時間には、よく2人で楽しそうにしゃべっていた。


しかも、高野は、文句なしの「優等生」。


趣味も話題も、学力も合う。


そんな2人を、クラスのヤツらは「似合いのカップル」だと噂していた。

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